ししゃも水揚げ日本一

 

シシャモ

■英名:shishamo smelt,Japanese longfin smelt
■露名:コビェウィードヌィ スプリンフ
■地方名(北海道):スサモ スシャモ
■漢字:柳葉魚
■アイヌ語:スサム、スス・ハム、シュシュ・ハモ

北海道十勝の秋は産卵を目的に遡上する【ししゃも】の漁で港は活気付きます。
10月から12月の中頃に、その姿は見られます。
【ししゃも】は鮭に代表される北海道の秋の味覚を代表する逸品です。
【ししゃも】は日本国有の貴重な魚で、北海道東南部の太平洋沿岸地域にしか生息しません。
その貴重な【ししゃも】が十勝沖に現れ、道東の河川へ遡上を始める10月から12月は家族総出の選別作業に追われます。ここ広尾町は【ししゃも水揚げ日本一の町】です。
水揚げされた【金ピカのししゃも】を北の寒空で生干し、丹念な作業の末旨みが閉じ込められた最高の【ししゃも】が出来上がります。
卵の美味しいメスはもちろん、オスの身は脂ののりはもとより栄養たっぷりの健康食材です。

 

◎ししゃもの由来

シシャモは「柳の葉の魚」を意味するアイヌ語のスス・ハムもしくはシュシュ・ハモから由来し、漢字で「柳葉魚」と書きます。この由来には、諸説があり、アイヌの神様が地上に落ちて朽ちてゆく柳の葉を哀れみ魚に変えたという説であったり、飢饉に苦しむ川下の人々を救うため、柳の葉を魚に変えたという説であったりと、地域によって、いくつか言い伝えられています。

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◎ししゃもの生態

【ししゃも】は、北海道の太平洋沿岸の水深120mより浅い所しか分布していない日本固有の種で、10月中旬〜11月下旬になると特定の河川に群れをなして遡上し、河口から1〜10km上流の砂れきの川底で産卵します。遡上する河川は、胆振地方の鵡川、日高地方の沙流川、十勝地方の十勝川、釧路地方の茶路川、庶路川、阿寒川、新釧路川、別寒辺牛川、尾幌分水川など。特に新釧路川では大量遡上が確認されています。以前は渡島地方の遊楽部川や長万部川にも遡上していたが、現在はみられません。最近、ミトコンドリアDNAの解析から、日高沿岸に分布し、鵡川、沙流川に遡上する群れと、十勝・釧路沿岸に分布し十勝川、新釧路川に遡上する群れは遺伝的に異なることが確かめられました。また、厚岸沿岸に分布し別寒辺牛川、尾幌分水川に遡上する群れも、脊椎骨数などの形態が異なる別の群れとされます。なお、十勝川や新釧路川では、10月中旬〜下旬に遡上する前期群と11月中旬〜下旬に遡上する後期群がみられます。十勝川では両群の割合は年によって異なるが、新釧路川では後期群が圧倒的に多いなど、同じ系群でも年や河川によって群れの構造が異なります。産卵行動は雌雄1尾ずづで行われ、雌は複数の雄とペアを組み、数回に分けて産卵します。雄は産卵の際、少量の精子で確実に受精させるために伸長した尻びれを雌の体に巻き付けます。抱卵数は体長12cmで約9,000粒、13cmで約1万1,000粒、14cmで約1万3,000粒です。卵は直径約1.5mmの付着沈性卵です。産み出された卵は粘着膜が反転して、川底の0.3〜0.5mmほどの砂を包むようにして付着し、翌年の4月初旬〜5月下旬ごろに卵黄のうと仔魚鰭膜を持った状態でふ化します。受精からふ化までの積算水温は350℃・日前後です。
ふ化直後の仔魚は体長8〜9mmで、ふ化後直ちに海へ流され、沿岸域で成長し、その年の秋に体長6〜7cmになります。このころの魚は体が幾分透き通っており「シラス」と呼ばれます。ふ化後1年半を経過した2年魚の多くは、体長11〜14cmになって成熟し、産卵のため河川に遡上します。シシャモは多くが2年魚で産卵するうえ、再生産関係すなわち親と子の数の関係が明瞭なこともあり、産卵親魚量の隔年変動が大きく、不漁年と豊漁年が隔年で現れます。同じ満1歳のシシャモでも不漁年は魚体が大きく、豊漁年は小さい傾向があります。成熟した雄は、同じ年齢の雌より満1歳で約1.5cm、満2歳で約1cm大きくなります。多くの雄は満1歳で産卵に参加しますが、小型の雄は満1歳で性成熟せずに海に残り、翌年に満2歳で成熟します。雄は一生に一度産卵に参加して死にます。雌はほとんどが満1歳で産卵し、その後「下りシシャモ」として海へ戻り、翌年の秋に再び産卵に加わります。豊漁年には、まれに体長16〜18cmに達する満3歳の大型の雌が出現します。
ゴカイ類、ワラジムシ類、ヨコエビ類などの底生生物を主な餌としています。

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◎ししゃもとその仲間

【ししゃも】の体は細長く、横断面は細長い楕円形をしています。脂びれがあり、口は大きく、上あごの後端は瞳孔の後縁下に達します。舌の上には小さな円錐形の歯が多数あり、体の背面は暗黄色、腹面は銀白色をしています。
産卵期には、雄は胸びれと腹びれが丸みを帯び、尻びれが大きくなり、体色が黒ずむが、雌はひれが変化せず体色がわずかに黒くなる程度です。ふつう体長が13cm前後になります。 この魚【ししゃも】はキュウリウオ科に属します。「キュウリウオ」という名は、野菜のきゅうりに似た甘い匂いがするためにつけらえたものです。キュウリウオ科の仲間は【ししゃも】とよく似ており、体が細長く、背の後の方に脂びれがあるのが特徴です。キュウリウオ科には【ししゃも】のほかにキュウリウオ、チカ、ワカサギなどがふくまれます。一見するとみな同じ魚に見えますが、形がいろいろ異なりますので識別できます。キュウリウオはさらに口が大きく、上あごのうしろの端は瞳孔を越えます。一方、チカとワカサギは口が小さいのが特徴です。チカとワカサギはよく似ていますが、背びれと腹びれの位置で区別できます。腹びれの起点は、背びれの起点のやや後にあるのがチカで、背びれの前にあるのがワカサギです。

系統図

ししゃもとその仲間

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◎ししゃもの漁法

漁期は10月〜11月で、河川へそ上するため沿岸に集まってきた魚を漁獲します。この時期、シシャモの身は脂肪分が抜け、雌は卵を持っていて子持ちシシャモと呼ばれ、商品価値が高くなります。漁場は胆振〜釧路支庁の沿岸です。シシャモが全国的に知られるようになったのは戦後のことで、現在行われている小型底曳き網の漁法のシシャモ桁網漁業が始まったのは1950年代後半です。
シシャモ桁網はかけ回し漁法の一種で、図のような手順で操業を行います。北海道のシシャモ漁獲量は1969年以前には3,000トンを超える年もありましたが、1970年代になって急激に減少し、1988年には過去最低の400トン足らずにまで減少しました。しかし、1989年以降は2003年まで、1000トン以上の比較的安定した漁獲が続いています。漁獲量は西暦奇数年に多く、偶数年に少ない傾向があります。シシャモの産地としては胆振管内の鵡川町が有名ですが、実は十勝・釧路管内のシシャモ漁獲量は近年では全道の漁獲量の大半を占めており、主要な産地となっています。

北海道におけるししゃもの漁場・ししゃも桁網の漁法

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◎調査研究

1913年に北海道帝国大学疋田豊治によって新種として発表され、形態、生態、分布などについて紹介されました。道立釧路水試ではえりも岬以東太平洋においてシシャモ資源の漁況予測を行い、計画的な漁業生産を支援するとともに、親魚の遡上時期を予測してきました。雌の生殖腺重量指数すなわち体重に対する卵巣の重さの割合が、十勝川では体重の約1/5に、新釧路川では約1/4になると雌雄ともに遡上を始めます。このことを利用してほぼ正確に遡上日を予測することが可能なため、遡上予想日から漁業者自らが終漁日を決定し、産卵親魚の確保に努めています。新釧路川では、ふ化仔魚の降海量から資源変動を予測する技術の開発に取り組んでいます。また、道立函館水試室蘭支場では桁網の網目選択性を調べ未成魚が混獲されにくい漁具の開発にも取り組んでいます。

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◎水揚げ日本一【広尾町】

シシャモ漁業の大部分は、10月から11月に河川へ遡上するために沿岸に集まってきたシシャモをシシャモ桁網漁業で漁獲します。シシャモの産地は胆振管内の鵡川が有名ですが、実は広尾漁港を中心とした十勝・釧路管内の漁獲量で全道の大半を占めています。つまり、広尾はししゃもの主要産地という訳です。

〈平成15年〉支庁管内別シシャモ漁獲量

漁獲量(t)
全道シェア(%)
順位
十勝支庁
600
47
1
釧路支庁
436
34
2
胆振支庁
120
9
3
日高支庁
118
9
4
全道合計
1,279
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シシャモ漁獲量の推移シシャモ漁獲量の推移

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